産科
産科について
妊娠おめでとうございます
私たちは、安全を最優先に考え、みなさまが出産の日を迎えることが出来るよう全力でサポートしていきたいと考えております。
また、マタニティー期間中に出産、育児に向けた心と身体の準備のために、
母親学級、父親学級、ソフロロジークラス、マタニティービクスなども開催しております。
分娩方法は、自然分娩を原則にしておりますが、ご希望により
「無痛分娩」・「夫立会い分娩」をお選びいただくことも出来ます。

当院の産科医療8つの特徴
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❶ 入院・分娩施設を備えた総合的産科診療
当院は、丸山台に分娩施設を備えた産婦人科クリニックとして開業しました
分娩施設としての確かな経験の蓄積、また、医師は、大学病院などの地域の中核的な総合母子周産期センターなど、周産期専門機関での長年の勤務経験者、また、助産師および看護師、スタッフも県内で有数の分娩取り扱い施設での師長経験者、助産院経験者など、充実したスタッフで、皆様の妊娠・出産・子育てを応援いたします。 -
❷ 良心的な費用
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❸ 24時間の連絡体制
当院は、分娩施設であり、24時間365日、医師および看護師スタッフが常駐しております。
一般の妊婦健診のみを行っている開業施設と異なり、夜間。留守番電話で連絡がつかないなどということは決してありません。
かかりつけの患者差様は、病状の変化などにはいつでも対応可能な安心な施設です。 -
❹ 毎回エコーと7ヶ月の胎児精密検査体制
当院では、医師および、特別な教育を受けた臨床検査技師が検査に当たっています。
健診ごとの、超音波検査二加え、7か月で、胎児スクリーニング検査も行っています。
また、通院されている妊婦さん全員に、当院オリジナル胎児エコーアルバムおよび、各妊娠週数での簡易解説シートを差し上げています。 -
❺ 上位機種の超音波装置を導入
当院では、周産期医療、特に胎児診断にて、世界的にも最前線の医療機関が使 用しているVolsonシリーズを使用、毎回の妊婦健診および、胎児スクリーニン グ検査を行っております。
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❻ 24時間 Web予約
24時間インターネットで妊婦健診のご予約をお取り頂くことが可能です。
ご予約のキャンセル、変更も簡単に操作頂けます。
インターネットの操作が得意でない方には、お電話での予約、キャンセルももちろん行っております。 -
❼ 多数の病院や高次医療センターと連携
連携、他院よりご紹介の分娩も受け入れ可能です。 当院での妊娠、分娩管理に加え、ハイリスクな症例や、緊急救急時には、神 奈川県周産期ネットワークシステムにて、適切な病院との連携を行っておりま す。
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❽ 患者さんの目線で、暖かく、わかりやすい医療
どのような場面でも、患者さんの目線、立場にたって、丁寧な説明、わかり やすい医療を心がけています。
『健康に過ごせるように、安産につながるように』
お悩みや症状でお困りの方へ
東條レディースクリニック(上大岡、上永谷)まで、ご相談ください。
妊娠が確認できましたら、これらのことを、始めての方でも、分かりやすくお話します。
(妊娠の兆候)
- 月経の遅延:月経予定日より2週間以上遅れた場合妊娠の可能性があります。
- 出血:少量の出血~量は個人差があります。受精卵の着床時の出血、その他,何らかの原因で起こるものがあります。
- 胸の張り、痛み
- 軽い下腹部(妊娠の可能性のあるうちは、鎮痛剤は控えましょう。)
- 軽度の腰痛
- 頭痛(妊娠ホルモンの増加などでの、ホルモンバランスの崩れ)
- 皮脂の増加(ニキビなど)
- 嗅覚が敏感になる。
- 鼻水
- おりものの増加
- だるい、眠い
- 感情のコントロールが難しい
- 基礎体温の上昇、高温相の持続
(妊娠の確認)
・尿検査での妊娠反応~尿中hCG(ヒト絨毛性ホルモン)およそ、妊娠1か
月で陽性になります。
*最終月経から、妊娠週数は計算しますが、実際は排卵してから妊娠するので、排卵が1週間前後ずれることもあり、4週間目の検査で陰性でも、妊娠していないとはいえません。(1週間後にもう一度検査してみましょう。)
・産婦人科受診での確認:子宮超音波検査
妊娠5週ごろより、子宮内に胎児の入っている、胎嚢が見え始めます。
妊娠6~7週で、胎児の心拍も見えてきます。
妊娠5~7週ごろ受診をお勧めします。
週数がすすんでも、子宮内に胎嚢が見えない場合は、子宮外妊娠の可能性もあります。
妊娠12週までの早期の切迫流産
(症状)
①子宮出血
・薄いピンク色の出血:子宮出血の場合もありますが、子宮口の上皮の良性のびらん部よりの出血もあり、切迫早産の症状ではないこともあります。
・暗赤色~褐色:数日前の古い出血
・鮮血:最近の出血
②下腹部痛
中央の痛みが多い。左右に偏っている場合は、子宮の増大による靱帯の牽引痛の事もあり、これは心配ありません。
(原因)
原因は様々です。ほとんどが、原因不明(母体ストレスなどの特定できない原因)です。
しかし、この時期の特徴としては胎児自身が原因の切迫流産があります。ご両親の染色体とは関係がありませんが、妊娠初期の細胞分裂増殖での、胎児染色体の分裂異常から来る、胎児異常です。
このような場合は、流産は避けられません。また、胞状奇胎などの絨毛性疾患など、異常妊娠が原因のこともあります。
(治療)
妊娠12週までは、安静が最大の治療と言われています。ご自宅で安静が保てない場合は入院の対象となりますが、基本は自宅安静となります。症状に変化があるようでしたらご連絡をお願いします。
妊娠5週頃からおこる、食欲不振、嘔気、嘔吐などの消化器症状のことです。
全妊婦さんの50-80%に見られます。個人差はありますが、1~2か月継続します。
(原因)
妊娠組織からの妊娠性ホルモン増加に母体が、順応しきれないことによる症状。
妊娠初期に分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(h CG)などが、脳の嘔吐中枢を刺激することで発症するのが主な原因。
胎盤が完成し、hCGホルモンが分泌されなくなる妊娠16週までには、症状が治まります。
( 関連:後期悪阻:妊娠後期に、子宮が増大し、胃部を圧迫挙上。逆流性食道炎(胸焼け)などで、不快、食欲不振になること。)
(症状と経過)
嘔気、嘔吐、不快感、食欲不振。摂食不良により、脱水、栄養障害、嘔吐による電解質異常を起こす方もいます。
*ビタミンB1不足になると、ウェルニッケ脳症を引き起こす危険性があります。ウェルニッケ脳症は、意識障害、小脳失調が出現し、逆行性健忘、記憶障害などの後遺症が残ることもあります。
(診断)
問診と、尿検査による尿中ケトン体の検出で診断します。
(この時期の過ごし方)
- ・一般には安静に過ごすこと、少量に分けた食事を多くすること、が推奨されています。
- ・しょうが粉末が効果あり:米国の報告で、つわりの改善に、しょうが粉末が有効であったことが報告されて います。生姜湯などを試してみるとよいでしょう
- ・偏食でも、食べられるものを見つける。:どんなに嘔気などがあっても、ある食べ物だけは食べられるとい
う傾向があるようです。どんな食べ物かは、個人によって様々。
いくらの海苔巻きや、どら焼きだけを食べて ましたという妊婦さんもいらっしゃいました。
詳しくは、東條ウィメンズクラブテキスト 明日への翼を参照ください。
(治療)
- ・嘔気を低減させる内服薬がありますので、ご希望の場合は処方します。
- ・また、漢方薬も有効なものがあると言われています。(嘔気・不快感がある中で、内服の可否は個人差があ ります)
- ・栄養剤、ビタミン剤の点滴:口からの摂食が困難になった場合は、栄養剤(ブドウ糖と電解質、ビタミン 剤)の点滴をします。外来通院でも可能です。ですが、症状が強いときは、入院して、お食事を止めて、点滴 をした方が、改善が早いです。
(予防)
- ①肥満に注意
- ②コルセットなどで姿勢を正しく心がける。:マタニティコルセットや、ガードル、腹帯で姿勢を保持。
- ③マタニティスポーツ:予防、治療には水泳が効果的。
(治療)
- ①肉体的精神的安静~妊娠に伴うもので、出産後は自然軽快します。深刻に考えないようにしましょう。
- ②適度な運動で、骨盤や腰回りの血行をよくしましょう。マタニティスポーツ、特に水泳がおすすめです。血流改善と、筋肉をほぐしましょう。
- ③マタニティコルセットや、ガードル、腹帯:外来にてご案内します。
- ④保温や、温熱療法が有効なこともあります。
- ⑤ビタミンB12の摂取
※妊娠中の消炎外用薬(湿布)の使用について。現在、妊娠中の消炎湿布の使用は、湿布の成分が経皮的に吸収され、胎児の心臓に悪 影響を与えるとの報告があります。妊娠中、特に妊娠27週以降は、湿布の使用はお控えください。
※アルコールは控えましょう。
妊娠中のアルコール摂取は母児へのリスクがあります。母体のアルコール摂取で、胎児奇形、脳萎縮、胎児発育不全の影響があるという、報告があります。 また、両親のアルコール摂取で、小児白血病が増加したとの報告もあります。 授乳中は、アルコール摂取後、2時間以上空ければ授乳しても大丈夫です。
※コーヒーは1日2杯程度に。ノンカフェインコーヒーならさらに安心。
コーヒーの代表成分は、カフェインです。カフェインの過剰摂取は、不眠、頭痛、胎児発育遅延、また鉄分の吸収阻害となり貧血、早産、流産の原因となるといわれています。また、カフェインは胎盤をそのまま通過して、赤ちゃんに届いてしまいます。カフェインは肝臓で分解されますが、肝臓が発達しきっていない胎児にはダメージを与えます。但し、過剰摂取しなければ、少量の摂取なら影響は無いこともわかっています。英国食品基準局では、妊娠中のコーヒーの摂取は1日2杯程度を推奨しています
※ポリフェノール食品の過剰摂取は控えましょう。
最近の胎児心臓系学会の話題にもなりました。ポリフェノールは、胎児の動脈管という部位に影響を与え、動脈管の収縮を促すため、右心負荷、肺高血圧のリスクとなります。摂取は控えましょう。
※妊娠初期に使用した薬剤の影響
薬剤の使用による妊娠への影響は、使用した時期や使用方法によって、異なります。
A.内服や点滴剤
影響は、大きく分けて4つの妊娠の時期によります。
①受精前~受精後2週間(妊娠3週ごろ):「全か無の法則」
妊娠成立の時期。ごく一部の薬剤を除いて、本当に妊娠に影響を与えるものであれば、妊娠は成立せず、妊
娠が成立した場合は、影響は考えなくて良いとされている時期です。「全か無の法則」
注意する薬剤)皮膚科の薬で、角化治療薬やC型肝炎治療の抗ウィルス剤などは、長く体に残存
②妊娠4週以降~8週未満:感受性が高い時期ですが、奇形を起こした薬は報告されたものは少数です。
注意する薬剤)アミノグリコシド系の抗生物質、ワーファリン(血液をさらさらにする薬)、抗リューマチ
や結核治療剤のメトトレキセート、抗てんかん剤
③8週~12週:大きな奇形を起こさないが、小さな奇形のリスクのある薬剤がわずかに存在
注意する薬剤)ダナゾール
④12週以降:奇形は起こらない。胎児発育や胎児機能に支障をおこす薬がわずかにある。
注意する薬剤)テトラサイクリン系抗生物質(胎児の歯の黄色着色)、消炎鎮痛剤(胎児循環異常(動脈管
早期狭窄~閉鎖)、高血圧治療薬のACE阻害剤、アンギオテンシンII受容体(胎児循環不全)
⑤妊娠16週以後:胎盤完成し、ほとんどの薬剤は胎盤でブロックされ、胎児には移行しません。
B.外用薬
ほとんどが、体内に吸収されす、一部の薬剤を除いて妊娠に影響しません。 注意する薬剤)消炎外用薬(湿布薬):妊娠中の消炎湿布の使用は、湿布の成分が経皮的に吸収され、胎児 の心臓に悪影響を与えるとの報告があります。
※妊娠中、特に妊娠27週以降は、湿布の使用はお控えください。